日本時間2022年6月16日をもって、Microsoft 社の Internet Explorer(通称:IE)のサポートが終了しました。本記事では、Internet Explorerのサポートがなぜ終了してしまうのか?サポート終了による影響とその対処法について、ご紹介していきます!
Internet Explorerの歴史
パソコンを使い始めた当時、ウェブブラウザといえばInternet Explorerという方も多いのではないでしょうか。私自身もそのひとりです。
Internet Explorerが開発されたのは今から約30年前になります。平成初期から前期にかけて、世界的に圧倒的な市場シェア率を誇ったInternet Explorerでしたが、実は二番手のウェブブラウザだったのです。当時は、ウェブブラウザといえばネットスケープコミュニケーションズが提供する「Netscape Navigator(通称:NN)」が市場の8割を独占していました。
Microsoftの創業者であるビル・ゲイツはこれに触発され、本格的にウェブブラウザ開発に取り組みます。そして、世界シェア9割以上という圧倒的シェア率を誇るようになっていきました。ちなみに、パソコンへのウェブブラウザの標準搭載を開始したのはMicrosoftのInternet Explorerが初めてでした。
Internet Explorerのサポートが終了する2つの理由
①台頭する新ブラウザの登場
2005年以降、Google ChromeやFirefox、Opera、Safariなど、次々と新ブラウザが提供されてきました。これらの新ブラウザは、Internet Explorerと比べて動作の速度やカスタマイズ性という点で優れており、シェア率は徐々に分散していきました。
②トップシェアがゆえの脆弱性
世界シェア9割以上という圧倒的シェア率だったがゆえに、Internet Explorerのプログラム内に潜む弱みに付け込むウイルスが次々に開発されていきます。その結果、2010年にはシェア率が6割まで落ちてしまいました。
そして、2014年に一大事が起こってしまうのです。ゆうちょ銀行やみずほ銀行のオンラインバンキング利用時に、偽のログイン画面が表示され、ログイン情報を盗まれるという問題が発生してしまいました。この問題により、Internet Explorerのセキュリティ上の脆弱性が世界的に問題視されるようになります。
Microsoftも更新プログラムのリリースにより対応しますが、2019年2月にInternet Explorerの使用を控えるよう促す勧告が開発元のMicrosoftより出されることとなりました。
サポート終了による影響や対策法について
ここからは、Internet Explorerのサポート終了による影響と対策方法についてご紹介していきます。結論からお伝えすると、Internet Explorerのサポート終了は、多くの人にとって無関係な問題であると言えるでしょう。
というのも、Internet Explorer上のみで動作が可能なコンテンツが一部存在しますが、それらの多くは法人向けソフトであり、私たちのような一般ユーザーに実害を及ぼす影響はありません。
また、私たちが普段から使用している最新のスマートフォンやタブレット、パソコンなどには、Google ChromeやSafari、Microsoft Edgeなどの安全性と機能面に問題のないウェブブラウザが標準搭載されています。Internet Explorerを愛用されていた方々は、少し残念かもしれませんが、今後はGoogle Chromeなどの別のウェブブラウザに移行しましょう。
まとめ
今回は、Internet Explorerのサポート終了について紹介してきました。Internet Explorerのサポート終了は、私たちの生活にはあまり関わりのないことのようですね。また、現在ではGoogle ChromeやSafari、Microsoft Edgeなどのウェブブラウザが充実しているため、これらに移行すれば、特段問題はないかと思います。
セキュリティ上に問題がないとはいえ、インターネットを使用する上で、電話やメールでの詐欺など、自身で気をつけないと危険な脅威も多く存在します。そのためご自身でも細心の注意を払いながら、安心安全なインターネットライフをお楽しみください!